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初級クラスで学ぶスウェーデンの伝統的な技法12種類

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大型織機 初級クラスでは約1年間でスウェーデンの伝統的な技法を毎月1種類ずつ(全12種類)学びます。

伝統的な技法:1  テーブルセンター(トスカフト)

伝統的な技法1テーブルセンター(トスカフト)コースの最初の課題は、トスカフトのテーブルセンターです。日本語では「平織り」の意味で、たて糸とよこ糸が1本づつ交差する最も基本的な織り方です。
この課題では、よこ糸の打ちこみを強くしてあり、たて糸はまったく見えない状態になっています。デザインとしては横縞を考えるわけですが、一部にアクセントとして縦縞に見える部分(ツイストという技法)を入れるように、アドバイスしました。
使用する糸はウール7/2を2本どりで使用します。2本どりにする場合、色を変える事で微妙なニュアンスを表現出来ます。簡単な織り方ですが、ヴァリエーションの幅が広く、やり始めると止まりません。
1人1人の個性に溢れた作品は、見ていてとても楽しく私も勉強になりました。

伝統的な技法:2  テーブルランナー(オリキシデイグ シーペット)

伝統的な技法2テーブルランナー(オリキシデイグ シーペット)2作目は縦縞のテーブルランナーです。オリキシデイグと付くと表裏のある「綾織」となります。表になった方には、たて糸の色がはっきりと見えますが、裏側はよこ糸の色がメインになっています。ちょうどジーンズの生地のように表裏で、はっきりと違いが出るものです。
セッテイングした、たて糸の色味を濁さないようにナチュラルな麻か、漂白した麻のいずれかをよこ糸として使用します。

伝統的な技法:3  ランチョンマット(リップス ヴェーヴ)

伝統的な技法3ランチョンマット(リップス ヴェーヴ)たて糸の密度を細かくしているので、よこ糸は殆ど見えません。デザインを考える時に2色以上使い交互に配置します。同じ色を使っても配置の順序を途中で変えるようにします。
よこ糸は太さの違う糸を2種類用意し、交互に織り込んで行きます。途中細い方の糸を2度繰り返すと、今まで表になっていた部分が裏になり、色彩が逆転します。
たて糸の準備には時間がかかりますが、織る段階になると、進みも早く色もコロコロ変わって面白いものです。名前のリップスは、太い畝の重なりから唇を連想したものだと思いますが、とてもキュートな名前ですね。
大きく織れば洗練されたラグにもなりますし、色彩次第でシックにもカジュアルにも対応出来るテクニックだと思います。

伝統的な技法:4  ショール(グースアイ)

伝統的な技法4ショール(グースアイ)菱形からなる形が連なっている様が、ガチョウの眼のようだと聞いて「なるほどねー」と感心したのを覚えています。じーっと見ていると目が回るようですが、大好きなテクニックの1つです。
このテクニックで私自身マフラーやショールを何枚織った事か・・・もう体に染み付いて自然に手が動いてしまいます。たて糸とよこ糸のコントラストが激しい方が、模様がはっきりと現れますが(初心者には、その方が織りやすいでしょう)私は微妙に違っている地模様の感じも好きです。
ショールの柔らかさを保つために、よこ糸の打ちこみをゆったりとする事が大切ですが、これが以外と難しいようです。気持ちとしては、もう1段糸が入るくらい間隔を開けて打ちこむようにします。何度も繰り返し織ってみて、体で掴むしかありません。

今回の作品は色合いはシックで、流行に左右されず長く愛用出来るでしょう。ご自分の織ったショールを手にアトリエにいらっしゃる姿を見ると、こちらまで幸せな気分になります。手織りのショールなんて贅沢ですね。

伝統的な技法:5  テーブルクロス(セールヴェーヴ)

伝統的な技法5テーブルクロス(セールヴェーヴ)セールとはスウェーデン語で「ふるい」を意味します。見てみると確かに織り目の粗い部分と細かい部分があります。
今回のテーブルクロスはテーブル全体を覆えるほど大きくありません。無地のクロスの上に斜めにかけて、アクセントとして使用するのに丁度良いサブクロスです。
たてよこ共に綿麻の混紡糸を使用していますが、この糸は丈夫で色あせず、洗えば洗うほどしなやかになって来る、扱い易い糸です。
2色のチェッカー模様の糸は微妙に色を変えてありますので、ニュアンスのあるクロスに織りあがったと思います。
多少のシミなどは気にせずに日常生活の中で、どんどん使って欲しいです。

伝統的な技法:6  タピストリー(ローゼンゴング4本ペダル)

伝統的な技法6タピストリー(ローゼンゴング4本ペダル)太くてザラザラとした触感の糸を使ってタピストリーを織りました。テクニックはローゼンゴング。日本語に訳すと「バラの道」という意味になります。
古いスウェーデンの織物にも多く見られます。色彩とペダルの踏み方によって、様々なヴァリエーションが生まれ大変面白い織物です。基本的にペダルの奇数同士、偶数同士を踏みますが、1つの模様の繰り返しの回数を変えたりして、変化をつける事が出来ます。
止めど無くアイデアが溢れますが、それを全部入れてしまっても良い作品にはなりません。また、行き当たりばったりで織るなどは、最も避けたいものです。
全体のバランスを考え、計画を立てて進めましょう。総柄のものも素敵ですが、少し無地の部分も入れた方が上手くまとまると思います。私自身とてもスウェーデン的な織物というイメージがあり、大好きなテクニックの1つです。

伝統的な技法:7  エプロン地(ローゼンゴング6本ペダル)

伝統的な技法7エプロン地(ローゼンゴング6本ペダル)課題6と同じローゼンゴングですが、ペダルを2本増やして6本にしています。今回はサラリと模様を入れる事を提案しました。
トスカフトの中にボーダー柄としてローゼンゴングが入っています。糸はテーブルクロスの時と同じ綿麻の混紡糸で、ローゼンゴングの部分だけ2本どりにして使っています。
柄を1段織ったら、トスカフトで押さえます。2本追加されたペダルはそのためのものです。
以前この生地で作られたエプロンドレスを、子供が身に付けていたのを見て、あまりの可愛さに感動!したのを覚えています。

伝統的な技法:8  キッチンクロス(ムンカベルテ)

FullSizeRenderムンカベルテとは英語でmonksbeltの意味。つまり修道僧のベルトとでも言うのでしょう。織ると浮かび上がる模様が十字架に似ているからでしょうか?
スウェーデンでは星の形と言っているようです。よこ糸は2種類あり、柄糸として表面に飛んでいる糸と、それを押さえるためのトスカフトです。星の形を作る
には、柄をABABAと配置して、中央のAは他の部分よりも少なくします。私はこのテクニックも、とてもスウェーデン的だと思います。
織る時の注意としては、柄糸の部分をふっくらと織る事が大切です。その為にはややよこ糸の緩みを大きめに取りましょう。但し、あまり大き過ぎると引っかかってしまうので、程ほどに・・・アイリッシュリネンを使用しますので、吸水性の高いキッチンクロスとなります。

伝統的な技法:9  クッションカバー(ホールキュロス)

伝統的な技法9クッションカバー(ホールキュロス)表面効果が面白い織物です。はちの巣織りとでも言うのでしょうか?よこ糸でうねりが表現出来ます。巣の中の色を変えて凹凸感を強調すると面白いでしょう。
私はこの技法も大好き!小さく作ってピンクッションやポプリ入れにしても可愛らしいです。ピンクッションの場合は、中に綿をタップリ入れて、コロンとした形にするのが好みです。余り糸の整理にも向いていますね。
実はこの織物には美しい思い出があります。たて、よこ糸とも真っ白の麻で織り、ウエデイングドレスの上半身の部分に使って頂いた事があります。ライトが当たり凹凸感が浮かび上がると、ため息が出るほど、美しく大人っぽかったのを覚えています。

伝統的な技法:10  服地(シーペットのヴァリエーション 千鳥格子)

伝統的な技法10服地(シーペットのヴァリエーション 千鳥格子)たて糸、よこ糸を4本ずつ色を変えて行くだけで、ただの綾織から「千鳥格子」の名前でお馴染みの織物になります。
使用した糸はウール100%で、しっかりと打ちこんで織って行きます。洋服にした時に「へばってしまわないように」しなくてはなりません。
生徒さん達にとって、初めての幅の広い織物だったので、勝手が違ってやりにくそうでした。タップリと緩みを取って、リズミカルに織る事が大切です。4段おきに色を変えますが、糸は切らずに進めますので、色数分のシャトルが必要です。

伝統的な技法:11  ショール(スウェディッシュレース織り)

伝統的な技法11ショール(スウェディッシュレース織り)本来はカーテンに良く使われるテクニックですが、目先を変えてショールを織ってしまいましょう。
今まではスウェーデンの糸を使って来ましたが、ショールなら日本のシルクが素敵です。特絹糸というたて糸にも使用出来る、ちょっと紬風の糸を使います。
せっかくなので色も植物で染めたものを使います。スウェーデンと日本の融合ショールは夏の冷房対策として、とても重宝します。

伝統的な技法:12  ラグ(ダブルバインデイング)

伝統的な技法12ラグ(ダブルバインデイング)いよいよ最後の課題です。最後はラグを織ってもらいました。このテクニックはスウェーデン独自のものという訳ではありませんが、最近の織物雑誌にも良く取り上げられるので課題に入れました。
模様はチェッカー模様で、たて糸の通し方で幅が決定されます。よこ糸のみで柄を作って行きますが、変えられるのはチェッカーの長さだけです。2色の色を交互に通して織り、自分の好みでその色を反転する事が出来ます。
よこ糸は裂いた布かラグ用の毛糸を使用します。ラグを織るにあたって、布は1センチに「手」で裂いてもらいました。手を使って勢い良く裂く事によって少々毛羽が立ちます。この毛羽が、織りこむとビロードのような感触になり、ラグとして使った時には、とても気持ち良いからです。
布の種類はブロードで良いでしょう。1本どりで使います。織るにあたっては、無地と柄物の布とのバランスを大切にしましょう。